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この記事ではトレードで有用な節目であるPivotについてまとめています。
この記事を読むことで世の中にある様々なPivotの種類と説明、それぞれが機能することを理解することができます。
Pivot/ピボットとは何か?
Pivotと一言で言うのは簡単ですが、Pivotにはいくつも種類があります。
それぞれPivotレベルの計算方法が違いますが、共通しているのは過去の高値安値、Close(終値)をもとに計算して複数のサポートレジスタンスレベルを表示してくれます。
Floor Pivot(通常のPivot)
よく見かけるPivotというのはコレですね。他のPivotと区別するためにFloor Pivotと呼びますが、通常はPivotといえばこのPivotになります。
Floor Pivotの計算式は以下のようになってます。
R3 = R1 + (H - L) = 2 x (P - L) + H R2 = P + (H - L) R1 = P + (P - L) P = (H + L + C) / 3 S1 = P - (H - P) S2 = P - (H - L) S3 = S1 - (H - L) = L - 2 x (H - P)
Floor Pivotの計算式自体に意味はありません。昔に偉い人がこうやって決めた、というただの定義です。
もともとは、サポートレジスタンスの目安として計算していたものだと思いますが、誰もが意識するようになっていつの間にか節目として使えるようになったのだと思います。Pivotには後述するような当日の値幅を予想する意味がありますが、誰もが深く考えずにトレードに使い始めたので、いつの間にか単なる節目という意味合いになってしまったのだと考えられます。
中心となるPivotを計算して、そこに『ある値幅』を足したものがR1~R3です。引いたものがS1~S3です。
結局、Pivotを計算する目的は、『前日の値幅をベース』に『次の日の値幅』を何通りか計算して、当日の値幅を予想することにあります。
Pivotのレベルは、ATR(ADR)と同じようなイメージで今日の高値安値を想定しているわけです。Pivotで反転するのを期待するようなトレード戦略が取れるのはそういう背景があります。
フィボナッチPivot
Floor Pivotを使わずに、フィボナッチPivotを使う人も結構見かけます。
中心のPivotポイントはFloor Pivotと同じですが、R1~R3、S1~S3の計算がフィボナッチを意識した計算方法になっています。
具体的には、前日の値幅にフィボナッチ比率を掛けたもの中心のPivotに足したり、引いたりしているだけです。
フィボナッチPivotの計算式
R3 = PP + ((H - L) x 1.000) R2 = PP + ((H - L) x 0.618) R1 = PP + ((H - L) x 0.382) PP = (H + L + C) / 3 S1 = PP - ((H - L) x 0.382) S2 = PP - ((H - L) x 0.618) S3 = PP - ((H - L) x 1.000)
フィボナッチPivotが機能する理由も特にありませんが、使用する人が多ければ機能しやすいという単純な理由です。
個人的にはフィボナッチPivotは、それほど機能しないイメージが強いです。
Camarilla Pivot
日本ではあまり使用している人を見かけませんが、Camarilla Pivotはとても機能します。
特にデイトレなどでは使えると思います。その理由はFloor Pivotよりも中心のPivotにラインが近く本数も多いからです。
Cameria Pivotの計算式
R4 = (H - L) x 1.1 / 2 + C R3 = (H - L) x 1.1 / 4 + C R2 = (H - L) x 1.1 / 6 + C R1 = (H - L) x 1.1 / 12 + C S1 = C - (H - L) x 1.1 / 12 S2 = C - (H - L) x 1.1 / 6 S3 = C - (H - L) x 1.1 / 4 S4 = C - (H - L) x 1.1 / 2
とても機能しますので、このPivotはおススメします。
Woodie Pivot
Woodie CCIで有名なWoodie氏のPivot
Woodie Pivot計算式
Pivot (P) = (H + L + 2 x C) / 4 Resistance (R1) = (2 x P) - L R2 = P + H - L Support (S1) = (2 x P) - H S2 = P - H + L
Pivotの計算式がその他のPivotと異なっています。Pivotの算出は前日のcloseをより重視し、Closeを2回使用した計算式となっています。
R1/R2、S1/S2の計算は通常のPivotと同じです。
あまり通常のPivotと違いが無いので無理にWoodie Pivotを使う必要もない感じがします。
ATR Pivot
こちらの記事のATR Pivotに詳細を記述しましたので参照してください。
Pivotの統計値
Pivotを使ったトレード方法
まとめ
個人的にはFloor Pivotか、Cameria Pivotがいいと思います。短期でサポートレジスタンスのトレードをするのであれば、Cameria Pivotを使うと自分でラインを引かなくてよいので楽だと思います。
どのような節目であっても機能する時に使えば機能するわけです。いつ機能するかを見極める方法無しではどのような節目を持ってこようとも博打でしかありません。
この部分をシステマティックにできるかどうかが勝敗のカギだと思います。