この記事は約3分で読めます。
本文は約1898文字です
三尊(さんぞん)とか逆三尊(ぎゃくさんぞん)というのをよく聞きませんか?
聞いたことある人は、どうせ、Head and Shoulder(H&S)だろ?とか思っていると思います。
自分も最初はそういう感じでした。というのもFXのチャートパタンなどではよく出てくるのですが、海外フォーラムなどではあまり聞かないので、あまり重要視していませんでした。
ところが、twitterなどでトレードしている人を観察していると結構、三尊、逆三尊というのを転換パタンとして見ている人が多いことに気が付きました。
むしろ、日本人は、三尊と逆三尊、ネックラインが大好きなのです。
このチャートパタンはダイバージェンスと合わせてみるとかなり確度の高いパタンになります。
海外では、H&Sというより、QMと呼ばれていて、ファンが多いことも後から知りました。
いずれにしても、三尊、逆三尊を使いこなせるかどうかは、チャートの環境認識、エントリチャンスを見つける際にとても大事な要素となります。
本当のH&Sは左の肩を作る時にネックラインを割らず、タッチする訳ですが、実際にそんな綺麗なパタンはあまり見かけません。むしろ、左肩を作る時にネックラインに対して、ネックラインを割る、割らない、タッチの3通りあるわけです。
それぞれ状況が違いますし、優位性も変わってきます。
三尊、逆三尊のパタン
ネックラインを割らずに左肩を作る場合はどうでしょうか?
それは、買いの場合で考えればダウ理論的には買いの優位性が崩れていないのですから、左肩ができるかどうかわかりません。そのまま、高値更新して行く方が理にかなってるわけです。なので、ネックラインを割らない場合は三尊になる可能性がそもそも低く、買いパタンが崩れていないので、ネックラインでまた買いが入って来るのです。
ネックラインを割ってから左肩を作りにいったらどうでしょうか?
この場合は、短期的にダウが崩れているので、売りに優位性が出てきます。短期的な買いの優位性はないので左肩を作った後に、さらに売りが入ってきて売り崩しにつながる可能性が高いです。
この形の三尊は、転換パタンとしては理にかなっていますし、そもそも三尊と意識しないで単純に転換パタンとして認識している人も多いでしょう。
結局のところは、買いと売りが逆転してしまうと何が起きるかというと、その逆転が起きる前の買いが捕まってしまうのです。
ではどこに捕まっているのか?という話になります。
買いは、前回押し目から高値までの間に入っていますが、そのSTOPは前回押し目の下か、それよりも目立つ押し目のあたりにあると思います。
そこまでの買いがすべてSTOP刈られてしまえば、基本的には買いは撤退しているので、売りが勝ったということなのです。
STOPを刈った後に、ある程度の戻りがあるという値動きの基本的な特性ですから、売りに優位性がある状態で戻れば、売りにとってはエントリしやすくなりますから、ますます売りが優勢になるわけです。その結果、直近高値をSTOPとした売りが溜まっていき、それが左肩となって三尊を形成するということです。
ダウが崩れるというのは転換のサインでもあるが、STOPを狩るということが重要
売りと買いが逆転していく時の基本的な動きとして、相手のSTOPを狩るというのが1つの指標になります。
貴方がここを割ったら優位性が無くなると判断したポイントがあってそこにSTOPを置いたとすると、大抵そこまで来ますよね。
買いの場合、その場所は直近の押し目か、それが深い場合は、直近の安値じゃないでしょうか?
直近の押し目を割って、ストップが走ることがあります。それは買いの撤退を意味しますからダウ云々以前に、売りと買いが逆転します。そこからの戻りが押し戻りをつけに行くことになります。
長期の押し目からの上昇でない限り、どのみち長期の押し目をつけに行くので、上昇しても簡単に戻ってきます。
上昇している時に買いを入れるなら、直近までの押し目にSTOPを置くのが普通です。エントリが早ければ早いほど、STOPの位置は浅くなりますが、エントリが遅いと押し目が遠くなり、近くにSTOPを置くしかなくなり、耐えられなくなってすぐに撤退させられてしまうわけです。